サンテミリヨン、この町を訪れた人はだれでもこの町が好きになるに違いない。まるで中世の町に迷い込んだような、古くて美しい小さな町である。石畳の道路は何百年も前からのものだろう。道は狭く車がすれ違うのは大変だ。南の方から町を訪れると、まずシャトー・ラ・ガフリエールの歓迎を受ける。胸を弾ませてさらに歩を進めると、左手にシャトー・オーゾンヌの急斜面の畑が視界いっぱいに広がり、ここがサンテミリヨンであることを教えてくれる。町にはいくつかのワインショップ、レストラン、ワイングッズの店が並んでいて散策するのが楽しい。ホッとひと息つけるところだ。

　サンテミリヨンは、粘土、石灰岩、砂、少々の河川礫層、とさまざまな成分の土壌からなり、それには雨水を貯え、安定した水分の補給が行える特性がある。これらの土壌にはメルロー種がもっともよく適している。サンテミリヨンのワインは一般にこくがあってまろやかだが、中にはタンニンが強くてしばらく熟成させる必要がある。ポムロールのワインはこくがあってチョコレートのようなまろやかさがある一方でしっかりとしたタンニンもあるので長期熟成させるとすばらしく美味しいワインに変化する。