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リベラ・デル・デュエロ


 マドリッドからほぼ真北へ2時間ほど走るとリベラ・デル・ドゥエロの中心地アランダ・デ・ドゥエロの町だ。町の中心をドゥエロ川が流れていて、川の流域、東西に長くリベラ・デル・ドゥエロのぶどう畑が広がっている。世界でも有名なベガ・シシリアは下流域にある。
 全体になだらかな丘陵地帯にあって、標高が海抜700〜800bあるので、夏でも夜は涼しい。土壌は石灰質が多い。大西洋の影響を若干うける適度な大陸性気候で、降雨量もほどよく春と秋に雨が多いほか、ドゥエロ川にかかる霧もぶどうへの水分補給に役立っている。年間日照時間は2200時間。テンプラニージョ種が主要品種であるが、カベルネ・ソーヴィニヨン種やメルロー種の栽培面積が増えつつある。
 スペインで高級ワインというと長年リオハが有名であったが、近年になってベガ・シシリアがリードする形でリベラ・デル・ドゥエロの品質の高さが世に知られるようになった。原産地呼称(DO)が認可されてからまだ日は浅いが、今では、高級スペインワインというとリベラ・デル・ドゥエロをさすほどである。
 ワインは濃い色をしていて、よく熟した果実の香り、ベリー系やバニラの香りなど非常に香りが豊かだ。若いうちはタンニンが多く荒々しいが、長期熟成により、タンニンも酸もまろやかになり大変すばらしいワインに変化する。はじめてリベラ・デル・ドゥエロのワインに接する人は「これがスペインワイン!?」と驚くに違いない。ボルドーワインに比肩できるワインだ。フランスワインに比べると価格は安いものの、スペインワインにしては少々高いのが難点だが、今後ぶどうの栽培面積が増えて価格が下がることを期待したい。