ディジョンからブルゴーニュの中心の町ボーヌへ行くなら、高速道路A37ではなく国道N74号線を走るのがおすすめだ。ディジョンの町を離れるとそこはもうブルゴーニュの北はずれマルサネの畑だ。ピノノワールの美しい畑が左右に広がる。やがて右手に小高い頂からなだらかな斜面にグラン・クリュやプルミエ・クリュの畑が続く。ジュヴリー・シャンベルタン、シャンボールミュジニーの標識をすぎると、右手にヴージョの修道院が見える。その先はもう“ロマネ・コンティ”の畑だ。この辺りにくるとワインファンの胸はドキドキしてくる。N74からちょっと脇道に入って、坂を少し上ると、憧れのロマネ・コンティの小さな畑があらわれる。その規模の小ささに、誰でも驚く。畑の石垣に座ってしばし感激に浸る。記念写真を忘れてはいけない。同じような写真を何コマか撮ってボーヌへ向かう頃には、胸は満足感でいっぱいだ。ボーヌのレストランで飲むワインが美味しい。
北部のコート・ド・ニュイは南北に長さ20q、幅800bの細長い地域で、国道をはさんで西側が真東に向いた石灰質の丘の緩やかな斜面で、ほとんど赤ワインだけが産出される。ぶどうはピノ・ノワール種のみ。ここには、コルトンを除くブルゴーニュの赤ワインのすべてのグラン・クリュがある。
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