とても上品な酸味とこくのあるしっかりとした銘醸ワインを産出するところで、北に抱くタウナス山脈が冷たい北風からぶどう畑を守り、一方南に面するライン河から反射熱と適度な水分の供給を受けるというぶどうの生育に適した土地である。
シュペートレーゼ(遅摘み)ワイン発祥の地シュロス・ヨハネスベルクはライン川沿いの村ガイゼンハイムを抜けて坂を上りきった丘の上、日当たりの大変良いところにある。ヨハネスベルク城には畑を見下ろす位置にレストランを設けており、ここを訪れるものはライン河へ向けて下っていくたわわに実ったぶどう畑を見ながら、暖かい陽光の中でおいしい料理とシュロス・ヨハネスベルクのワインをたのしむ。実にすばらしいところだ。
ラインガウにはリースリング種からつくられた極甘口の貴腐ワインやシュタイベルガーなどのやや辛口の銘醸ワインがあり、長期熟成に適したすばらしいワインの産地である。リースリング種独特のリンゴの香りがするフルーティーなワインはドイツ随一だ。
一般的に土壌は、高台の方が石英珪岩質に粘板岩の混じりが多く、含蓄のある品位を持つワインが生まれ、低地の方がややローム質や白粘土が多く混じり、こくが出て力強くなりがちである。
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