ブルゴーニュ地方の中心地ボーヌから北へ走ること約１５０�q。パリとボーヌのほぼ中間地点にシャブリは位置する。なだらかな丘陵地帯のシャブリの中で、セレン川に面した南向きの日当たりのもっともよい斜面がシャブリ・グラン・クリュの７つの畑だ。フランスのワイン産地としては北に位置するシャブリは冬の寒さも厳しい。冬場にシャブリを訪れると凍結防止用のボイラーが整然とグラン・クリュ畑に並んでいるのが見られ、ここまでぶどうを大切に育てているのか、とワインファンは感動する。ぶどうの芽吹きも遅く、栽培には苦労するところだ。それを乗り越えて作られたシャブリを味わうと、ぶどう栽培業者の努力がしのばれ、味はひとしお美味しい。
　シャブリ地方は粘土、石灰質の化石層の多い土壌で、特にシャルドネ種に適している。 シャブリはエレガントで気品があり、生き生きとした白ワインで、世界中でその名前が“辛口の高級白ワイン”の代名詞になっていて、「生カキにシャブリ」の絶好の組み合わせはあまりにも有名である。